GOアプリの『チップ機能支払い機能』が問いかける、日本のありがとうの値段

配車アプリ

今回は「GOアプリの『チップ機能支払い機能』が問いかける、日本のありがとうの値段」を書こうと思います。

とりま、日本での「ありがとう」の示し方はシンプルです。気持ちよく「ありがとう」と言ってお釣りを受け取らない、それが日本流のささやかな感謝の表現であり、わざわざ追加でお金を払う習慣はありません。

接客はサービスの一部であり、対価は料金に含まれていると考えるのが一般的で、そんな文化圏で「アプリでチップを渡す」なんて新しい習慣が急に降って湧くのは、少々不自然に感じるのは自分だけでしょうか?・・・・知らんけど(^-^)

【GOアプリに突如現れた「チップ機能」】
GO Payを利用したタクシー乗車時のチップ機能は、2023年10月12日より東京都と神奈川県の一部エリアで先行開始されました。対応エリアは順次拡大されていて、年度内には乗務員がチップを引き出すためのポータルもリリースされた様で、それは・・・・、GO Crewポータルです。

そんな文化的背景を無視するかのように、GOアプリは客「チップを渡しますか?」、「100円、200円、300円、いかがですか?」と問いかけます。

まるでファストフードの追加トッピングを選ぶように、気軽に「ありがとう」が販売されている様で草。「ありがとうの値段がメニューに載ってるなんて・・・・」と感じるのは自分だけでしょうか?・・・・最近のアメリカじゃあるまいし(笑)

【電子チップを受け取るとどうなるのか?】
GOアプリで客からチップを受け取ると、それは即座に「GO乗務員ポイント」という形であなたのGO Crewポータルに付与されます。
このポイントは現金ではなく、あくまで電子的な記録上のポイントです。

つまり、

チップが即現金として手元に入るわけではなく、ポイントのまま貯まっていき、ある一定量(規定の最低ポイント)を超えた時に初めて換金申請が可能になります。

また、換金申請をしても、申請から振込までは数営業日かかり、換金時には手数料が差し引かれることがあるため、実際に手元に入る金額は提示されたポイントの全額とは限りません。

さらに、もし銀行口座情報を間違えると、振込エラーや手数料負担が発生し、GO運営からの返金は基本的にありません。

このため、電子チップの受け取りは「ありがとうの現金化」というよりは、ポイントを経由する一種の電子的な預かりと考えた方が現実的です。

【GO公式の立場は任意といいつつ】
公式規約では「チップは任意です」と記載されていますが、実際にはどうでしょうか?

一部のドライバーはチップを期待する空気を醸し出し、会社によっては「チップ推奨」の方針もちらほら聞きますが、噂レベルにはなりますが「年に2回、換金手数料無料キャンペーン」なる非公式の特典も囁かれていますが、公式には何も明言されていません。

会社がチップを回収するのは良いこと?悪いこと?】
ここで見逃せないのが、法人タクシー会社がチップを一括管理し、給与に上乗せするタクシー会社だ有る様で、一見合理的に見えますが、裏を返せば、
・「チップは売上扱い」にされ、そこから会社が手数料や歩率を取る
・チップが給与に組み込まれることで課税対象になり、手元に入る金額が減る
・「月締め、翌月給与反映」などでチップの即時性が失われる

つまり、せっかくの客の善意は、経理処理の迷宮を経て減額され、時には会社の懐を温めるスープの素になっているかもしれません。

【アメリカとの文化的ギャップ】
アメリカではチップは接客労働者の重要な収入源でタクシーにも大事な収入源で、15〜20%が常識で、サービスの質次第で金額も変動します。
チップは「感謝のしるし」どころか、「生活費の一部」として文化に根付いています。

一方、日本では「サービスは価格に含まれている」が前提で、チップのない社会に「アプリでチップを渡す」機能が突然導入されるのは、カルチャーショック以外の何物でもありません。

【感謝は心か、機能か?】
「ありがとう」は心から伝えれば十分、現金で払わなくても伝わる、そう信じてきた日本人にとって、
アプリ画面の「チップを渡す」ボタンは、どこか空虚に映るかもしれません。

GOアプリのチップ機能は、単なる文化の輸入か、それとも新たな収益の仕組みか。客の「ありがとう」が、果たしてドライバーにどれだけ届くのか・・・・このデジタル時代の「感謝の形」に、もう少しだけ注目してみる必要がありそうですネ。・・・・知らんけど(^-^)