タクシーには営業区域があります。原則として、自社営業区域外での乗降はできません。しかし、法律には例外があります。実際の運用を見ると、数字や法律の文言だけでは見えない現場の「皮肉な実態」が見えてきます。今回は、区域外営業のルールと事例を仙台市ライドシェア記事風に読み解いてみます。
【タクシー営業区域の基本】
道路運送法第20条では、発地と着地が営業区域外の運送は禁止です(路線運行除く)。
ポイント:乗車地か降車地のどちらかが自区ならOK。
東京の例:
- 東京23区・武蔵野市・三鷹市(武三交通圏)
- 北多摩、南多摩、西多摩、島しょ区域
神奈川の例:
- 京浜交通圏(横浜・川崎・横須賀・三浦)
- 県央、湘南、小田原交通圏
横浜のタクシーなら、乗降地のいずれかが横浜・川崎・横須賀・三浦なら運行可能。
つまり、三浦で拾って東京まで送っても法的にはセーフ。ただし効率は…まぁ怪しいです(笑)。
【区域外営業の“例外ルール”】
道路運送法第20条には例外が2つあります。
- 災害や緊急時
- 地域輸送需要に応じた場合
- 地方公共団体、タクシー事業者、住民などの協議
- 国土交通大臣が安全・利便に支障ないと認める場合
この協議の場が「公共交通活性化協議会」。
地域の交通ニーズに合わせて運行形態や運賃を調整するための協議機関です。
協議会例:
- 横浜市:横浜市地域公共交通活性化協議会
- 東京:あきる野・檜原地域、奥多摩地域、23区各区(墨田区、世田谷区など)
協議会で承認されれば、例外的に区域外営業が可能です。
【数字で見る例外営業の実態】
別府市:クルーズ船来航でタクシー不足。大分県外のタクシーが港で乗客送迎を許可。
静岡・清水港:日本型ライドシェア導入で1,000人超の乗船客に対応。
ただし、実際の稼働は限定的。仙台市ライドシェアの平均配車1回のように、数字上は対応済みに見えても、現場はほとんど動かないことも。
港に並ぶ乗務員は、効率の悪いロングより近距離を優先するのが現実(笑)。
【クルーズ船寄港とタクシー事情】
2023年寄港回数トップ3:
- 横浜:171回
- 長崎:96回
- 広島尾道・神戸:91回
横浜は寄港数トップでもタクシー不足なし。会社から「飛鳥号来航」と告知されても、乗務員は港に行かないケースが多いです。
別府市では、クルーズ船来航時に特別手当を支給すれば不足は解消可能ですが、現実はやはり無理ゲー状態(^_-)-☆
【まとめ】
- タクシーは原則営業区域内で営業
- 道路運送法には「緊急時」「地域輸送需要」の例外あり
- 協議会承認で区域外営業可能
- 実例:別府市、清水港ではクルーズ船対応で例外営業
- 数字だけ見ると「対応済み」に見えるが、現場の動きは限定的
結論:法律や協議会の仕組みは整っているものの、現場では効率や収益との兼ね合いで例外営業は意外と限定的。仙台市ライドシェアのマッチング率96%と同じく、「数字だけ見ると満点でも、現実はちょっと違う」という皮肉な現実があります(笑)。