とりま、今回は、都市部でのタクシー走行時の平均速度と、距離時間併用運賃の実際の割合について解説します。普段乗っているだけでは気づきにくいポイントです。
【幹線道路6kmの平均速度は?】
まず理論上の計算です。幹線道路で以下の条件を仮定します。
- 距離:6km
- 信号:1kmあたり3個(6kmで18個)
- 停止回数:信号の半分(9回)
- 信号待ち時間:1回35秒
- 制限速度:50km/h(加減速も考慮)
信号待ちなしの理想走行時間は約7分12秒。信号待ち時間(9回×35秒=約5分15秒)を加えると合計所要時間は約12分27秒になります。
ここから平均速度を計算すると約28.9km/h。これは、幹線道路で比較的スムーズに走行できた場合の目安です。
【都市部ではもっと遅くなる】
現実はもっと複雑です。都市部では信号はほぼすべて停車することもあり、交差点や歩行者横断、バス停車などによる加減速も頻発します。
国交省や東京都・横浜市の実測データによると、
- 実車中(昼間の幹線道路):22〜25km/h
- 空車中:15〜20km/h
- 1日トータル(実車+空車含む):約20km/h前後
理論値28.9km/hはあくまで目安で、都市部での営業では平均速度は20km/h前後が現実的です。
【時間距離併用運賃の割合】
6km走行で距離制運賃と時間距離併用運賃を計算してみます。
- 乗車距離:4.5km
- 初乗り料金:500円
- 加算運賃:255mごとに100円
- 時間距離併用運賃:1分35秒ごとに100円
この場合、乗車料金が2,400円だと、
- 距離制運賃:約1,884円
- 時間距離併用運賃:約516円
時間距離併用運賃は乗車料金全体の約21.5%を占めます。信号待ちや渋滞など低速走行の影響が運賃にしっかり反映されていることがわかります。概ね20%前後が目安です。
【アプリ料金との比較】
例えば、GOで関内駅から上大岡駅まで5.7km走行した場合、所要時間は18分、料金は2,800円。
- 時速計算:5.7km ÷ 0.3h(18分) ≒ 19km/h
- 時間距離併用運賃の影響も考慮すると、先ほどの計算結果と誤差は約200円程度
都市部タクシーの平均速度は約20km/h前後で、運賃計算や営業効率の分析に活かせそうです。
【纏めると】
- 幹線道路でスムーズに走行:28〜30km/h
- 都市部の実車中:22〜25km/h
- 空車中:15〜20km/h
- 1日トータル:20km/h前後
- 6km走行における時間距離併用運賃の割合:約20〜21.5%
タクシーに乗るとき、信号待ちや渋滞で運賃が少し増えている理由は、この時間距離併用運賃がしっかり働いているからです。営業効率や料金分析の理解に役立つ、ちょっとした「タクシー裏知識」ですね。