海外ではUberやLyftのように、会社員や学生が空き時間に副業として運転できる“業務委託型ライドシェア”が当たり前です。ところが、日本で導入されたライドシェアは、まさかのタクシー会社の雇用型。
つまり一般のサラリーマンが副業でライドシェアをしようとすれば、労働時間オーバーで労基法違反になりかねません。
「働き方改革」と言いながら、実際は「働かせない改革」になっているのでは?
そんな疑問を込めて、日本型ライドシェアの裏事情を探ってみます。
【世界の常識】
アメリカや東南アジアでは、UberやGrabといった配車サービスが普及しています。仕組みはシンプルで、ドライバーは個人事業主としてアプリに登録し、空いた時間にマイカーで乗客を運ぶ。
雇用契約ではないので、労基法の週40時間規制は適用されず、まさに“自由な副業”として成り立っています。
【日本型ライドシェア】
一方、日本が導入した「日本型ライドシェア」は、タクシー事業者の管理下で運行する仕組み。つまり、雇用契約ありきです。
会社員が副業でやろうとすると「本業40時間+副業○時間」で、あっという間に労働時間オーバー。
「副業解禁」と言いつつ、制度設計でしっかり副業封じが組み込まれているわけです。
【なぜ雇用型にしたのか】
理由は表向きには「安全確保」とされています。
- 運行管理はタクシー会社が責任を持つから安心
- 労働者保護のために雇用契約にするべき
しかし、実際には「既存タクシー業界の保護」が本音では?
もし業務委託型を認めれば、タクシー会社は人材も売上もごっそり奪われかねません。
そこで「雇用型」にすることで、ライドシェアの芽を摘みつつ、タクシー業界を守る…そんな思惑が透けて見えます。
【副業をしたい人に残された選択肢】
結局のところ、日本型ライドシェアはサラリーマンの副業には不向き。
本当に副業でドライバーをやりたいなら、Uber Eatsや出前館のような業務委託型デリバリーに走るしかありません。
「働き方の多様化」を掲げながら、実際は“多様化させない”方向に舵を切っているのが、なんとも日本らしい皮肉なオチではないでしょうか。