今回は「リース制タクシーは合法ですか?それとも「名義貸し未満」すか?」を書こうと思います。とりま、リース制タクシーと聞くと京都のMKが頭に浮かぶのは自分だけでしょうか?・・・・知らんけど(笑)
京都MKだけでは無く、東京・横浜に潜む義貸し未満」の世界で草。(@_@)
【はじめに】
「リース制」と聞くと、通常は企業がコピー機や機材や車を思い浮かべます。ですが、タクシー業界では少々意味が異なります。
MKタクシーなどで採用されている「リース制タクシー」は、乗務員が会社から営業車を借りて営業し、売上の中から車両代・燃料費・保険料などの諸経費を自己負担し、残った分が報酬となる仕組みです。
……さてと、の制度、「合法」だと思いますか? それとも……?
【MKのリース制とは?】
MKでは、乗務員がタクシー車両を会社から「借りる」で営業を行っています。しかも、その際に支払う「リース料」の中には以下のような費用が含まれています。
・両代
・会保険の会社負担分
・動車保険料
・料費
・理代
・服代
・ーター費用、シートカバーなどの備品維持費
これらを全て乗務員が売上から支払い、その差額が給与となります。なので、稼げれば報われますが、稼げなければ赤字にもなります。
つまり、会社側はリスクゼロ、収入は定額確保という何とも都合のよいビジネスモデルです。
【それって名義貸しじゃネ?】
本来、タクシー営業には道路運送法第4条・33条により国の「許可」が必要であり、営業権の貸し借りの所謂名義貸しは法律で禁止されています。
【道路運送法 第33条】
一般旅客自動車運送事業者は、その名義を他人に使用させて事業を営ませてはならない。
しかし、リース制側は、こう主張しています。
「名義を貸しているわけではありません。個人事業主との委託契約です」
名義を貸していないが、営業権を「使わせている」。って事は名義貸しにはならない、が……極めて限りなく「名義貸し的」な状態に見えるというのが正直なところです。
【驚く事に国も明確な線引きを避けています】
ここがもっとも重要なポイントです。
リース制タクシーに対して、国も明確に「違法」とは断定していません。
❖ 国交省が「グレー」と見なす背景は、法的禁止はしていない=道路運送法では「名義貸し」は違法ですが、「リース制タクシーそのものの運用」は、制度上は曖昧なままです。
形式上は合法を装える=契約書類や管理体制を整えれば、「名義は貸していない」、「請負契約」として運用できる。
国の懇談会資料でも問題視=国土交通省の懇談会(タクシー活性化・構造改善検討会)では、以下のような表現が使われています。
① ・「名義貸しに該当するおそれがある運行形態が存在しており、好ましくない」
② ・「リース制により、運行管理責任が不明確になるケースが見受けられる」
③ ・「労働者性をあいまいにする契約は、労働法上の問題を引き起こしかねない」
つまり、国としては「法令違反とは言い切れないが、名義貸しに近く、安全性や労務面で課題がある」として「グレーゾーン」として注意喚起をしているのです。ってか、注意喚起のみで草。
【なぜ禁止しないのか?】
タクシー業界の人手不足により、雇用の多様化が求められている背景もある様で、明確に「禁止」としてしまえば、現行制度下でリース制を採用している多くの中小事業者が運営困難になります。
その結果として「行政指導レベルでの牽制」にとどまっているのが実情です。
【MKが値上げに反対する理由】
MKが長年「運賃の値上げ」に反対している理由も、リース制と密接に関係しています。
なぜなら・・・・・
運賃が上がっても、会社の収入(=リース料)は増えないからWWW
乗務員が稼げば稼ぐほど売上は増えますが、それはあくまで乗務員のもので一切会社には関係ありません。
むしろ安い運賃で乗客が増えた方が、乗務員がたくさん走ってくれてリース料も確実に払ってくれる。
・・・・・となれば、値上げに消極的なのも当然ですよネ。(笑)
【リース制タクシーとは、法の狭間の都合のいいビジネス】
国は明確に「違法」と断定していませんが、ただし「名義貸しに該当するおそれがある」と明確に警鐘を鳴らしています。又、形式的には合法、実態的には限りなく黒に近いグレーに近く、乗務員に全リスクを押し付け、会社はノーリスクで収益確保・・・・・まさに、「名義貸し未満」の便利な構造です。
【最後に】
MKのような大手に限らず、同様の仕組みを採用しているタクシー会社は、全国に存在しています。
そしてその多くは、「形式的には合法」、「実態はグレー」のラインを巧みに行き来しています。
この制度の存在を知ったうえで、「それでも自由な働き方だ」と納得して選ぶのでしょうか?。それとも、「これは制度の抜け道だ」として警戒すべきか・・・・・それを判断するのは、貴方です。