今回は「タクシー運転手の給料明細は「騙し絵?」・・・残業代と深夜割増の裏事情」を書こうと思います。
タクシー運転手として働いている方なら、一度は「この給料明細って・・・・何かの冗談?」と思った経験があるのではないでしょうか。・・・・知らんけど(笑)
給料明細には、基本給・時間外手当・深夜割増・・・・・・ちゃんと項目は並んでいるのに、結局は「営収×歩率」と同じ数字に収束しています。
自分もこの業界に入った時の今の会社の面接で、「給料は売上の50%」だとだけ説明され、売上の半分が給料になるって初めて聞きましたが、残業代や深夜割増給の事は全く聞かされないていませんでした。(笑)
自分が面接した時期は保障給が無くその代わり歩率が50%から3ヶ月だけ54%人らる契約でした(苦笑)
初めての給料の明細には、「時間割増給」、「深夜割増給」の記載が有り、それぞれ金額が記載されていましたが、支給額を合計すると・・・・・きっちり歩率54%で計算されていました。(笑)
要は、「時間割増給」と「深夜割増給」を加えて54%って事です。(苦笑)
なので、書類上はきっちり支給されている風なのに、実際は「割増給のコスプレ」でした。(笑)
【給料明細に残業代がある=残業代が支払われているとは限らない】
多くの会社の給料明細には「時間外手当」、「深夜割増」がしっかり記載されています。が、その合計を眺めると・・・・・「営収×歩率」とピッタリ一致する会社も有るのでは?
つまり、「見た目だけ残業代」というトリックです。(苦笑)
労基法第37条は「残業や深夜勤務には25〜50%増で払え」と定めています。
しかし現実のタクシー会社では自分が勤務するタクシー会社の様に、「いやいや、その分は歩合給の中に最初から含まれてますから」という言い訳で処理されがちです。(苦笑)
つまり、本来は「別枠」で支払うべき割増賃金を、歩合給に丸ごと押し込んで、ハイ、おしまい。
・・・・・これで残業代が消えるマジックショーの完成です。(笑)
【タクシー業界の特別ルールも、守られているかは別問題】
タクシー業界の特別ルールは、タクシー乗務員は一般の労基法ではなく、「自動車運転者の労働時間等改善基準」で管理されています。この特別ルールが「自動車運転者の労働時間等改善基準」です。
そこには、
・隔勤の休憩は3時間まで
・歩合給でも最低6割は保障
と書かれています。・・・・が、守られているかどうかはご想像にお任せします。
【基本給も歩合も、結局は歩率の衣替えか?】
例を出すと
営収70万円、歩率60%。・基本給:17万円・歩合給:25万円・合計:42万円
あら不思議(笑)、きれいに営収×歩率60%と同じになりました。
では「基本給17万+歩合42万(70万×60%)=59万」なんて神設定の会社は?
‥‥・まずこんなタクシー会社は童話の世界にしか存在しません (笑)。
【残業・深夜勤務を最低賃金で計算すると・・・・・】
朝8時出庫〜翌朝5時帰庫=21時間拘束。
休憩3時間を引いても労働18時間。
法定16時間を2時間オーバーなので残業は2時間。
深夜帯(22時〜翌5時)は7時間。
横浜の最低賃金(1,162円)で計算すると・・・
・残業代:34,860円
・深夜割増:24,402円
・合計:59,262円
理論上は、基本給17万、歩合給=基本給込みで42万円に59,262円だけ上乗せされて、給料は47万9,262円になり、規定歩率60%より、47万9,262円÷70万円×100≓68%になるので約8%も歩率が上がります。
・・・・・理論上は本当の明細では綺麗に歩率の中に吸収されませんが(笑)
【KM裁判:残業代をごまかした結末は“4億円”】
「残業代?歩合に入ってますから」・・・・・タクシー会社がよく使う言い訳ですが、実際に裁判になったケースがあります。
大手の国際自動車(KM)で争われた訴訟では、残業代や深夜割増をまともに支払っていなかったとして乗務員が集団で提訴。結果、会社側は敗訴し、最終的に和解金として約4億円を支払う羽目になりました。
つまり、「書類上は払ってる風」な仕組みが、法廷ではまったく通用しなかったわけです。
行ってしまえば、業界の常識は、法律の非常識。(苦笑)
タクシー業界では「笑えないブラックジョーク」っす。(笑)
【タクシー業界の給料明細は・・・・残業代ごっこ(笑)】
本来、
・基本給は歩合に含めてもOK
・残業代・深夜割増は歩合に含めちゃダメ
・・・・というのが法律のルールです。
でも現実は、給料明細に存在感だけ残業代や深夜割増を載せて、金額は歩率に吸収する。つまり、明細書に並ぶ数字は「労基法遵守コスプレ」にすぎないのです。(苦笑)
・・・・・タクシー運転手の給料明細、それはマジ騙し絵の様で(笑)
見れば見るほど「残業代があるように見えるけど、実は無い」、KM裁判で証明されたのは、そのカラクリが笑って済まされない和解金額4億円に上る違法だという現実でした。