タクシー運賃の「距離時間併用運賃の10km/h以下」は本当か?実は9.7km/hだった件

タクシー料金

今回は「タクシー運賃の「距離時間併用運賃の10km/h以下」は本当か?実は9.7km/hだった件」を書こうと思います。

とりま、タクシー料金を計算していると必ず「距離時間併用運賃」って言葉が出て来ます。これの説明は「時速10km以下になると、時間距離併用運賃が適用され、時間に応じて料金が加算されます」が一般的です。この・・・・時間に応じて料金…の部分が前から疑問でした。

普通に読めば東京だと時速10km以下になると1分35秒経つと100円料金が上が上がります。

【時間距離併用制の仕組み

東京のタクシー料金を例にざっくっり纏めると、・初乗り:1,096mまで500円・加算運賃:255mごとに100円・時間加算:95秒ごとに100円になります。

勘違いしやすいのは時速10km以下になると1分35秒経つと100円料金が上がる」事で、時速10㎞以下で走行してると95秒で100円上がる部分ですが、実際はこの「距離」と「時間」のどちらか早い方でメーターが上がるのが「時間距離併用制」です。

【なぜ「釣り合う速度」を計算するのか?】

なので要は、時間距離併用制は「距離加算」と「時間加算」の競争になります。なので速く走っていると、距離の方が先に条件を満たすので距離加算が優先され、ゆっくり走っていたり工事や信号で止まっていると、時間の方が先に条件を満たすので時間加算が優先されます。

では、両者がちょうど同じタイミングで加算される境目はどこでしょうか?

これを割り出すのが「釣り合う速度」の計算です。

具体的には・・・・255m ÷ 95秒 = 2.684m/秒になるのでこれを時速に直すと 約9.7km/h になります。

なので、9.7km/hを境目に「距離で加算されるか」、「時間で加算されるか」が切り替わるわけです。

【なぜ「10km/h以下」と言われるのか?】

実際の境目は 9.7km/hですが、中途半端な数字なので、業界的には説明を分かりやすくするため「10km/h以下」と丸めているわけです。(苦笑)

利用者にしてみれば「10km/h=歩くくらいの速さ」とイメージできるので、確かに分かりやすいですが、ただ、数字にこだわる自分の様なタイプ(笑)からすると「いやいや、正確には9.7km/h以下だろ」とツッコミたくなります。

【タクシー業界のご都合主義か?】

タクシー料金の説明は、必ずしも正確性が最優先ではない様です。むしろ「乗客が理解しやすいかどうか?」優先されていて、正確な数字は二の次の様です。

結果として、信号待ちでチマチマ上がるメーターを見て「10km/h以下だから仕方ないか」と納得している人の多くは、実際には9.7km/hを基準に課金されているって訳です。(苦笑)

【纏めると】

時間距離併用制の実際の境目は10㎞では無く 約9.7km/h以下、説明上は「10km/h以下」と丸められていて利用者にとっては分かりやすいが、正確さは犠牲になっています。

たかが0.3km/h、されど0.3km/h。

この業界都合の切り上げに気づくと、料金説明の「親切そうで実は雑」な面がちょっと見えてきます。

まあ~、こういう曖昧さもタクシーあるあるの一つとして笑うしかないのかもしれませんネ。(*´ω`)