タクシー業界のスラングって、外の人からすると意味不明なものが多いんですが、その中でも有名なのが「青タン」。
「アオタン?痣?w」って思う人もいるかもですが、タクシーでは深夜割増料金のことを指します。
今回はこの「青タン」の歴史と正体について、ちょっと掘り下げてみようと思います。
【昔は地域ごとにバラバラだった深夜割増】
今でこそ全国一律20%増しの深夜割増ですが、昔は地域裁量。
1970年代の東京や横浜みたいな大都市圏では、なんと最大30%増しの時代もありました。
深夜に働くドライバーの労働環境改善とか、安全確保とか、需要と供給のバランスを取るのが目的だったそうですが……いや、3割増しって美味しすぎません?w
ちなみに当時は運輸省(今の国交省)が地方運輸局に認可権限を持たせていて、タクシー会社が申請した内容を審査→認可、という「認可制」。
だから、割増率も時間帯も地域ごとに違ってたわけです。
【2002年に全国統一へ】
地域差が大きすぎて「それってどうなの?」となり、2002年(平成14年)に国交省が通達(国自旅第89号)を出して全国統一。
・割増率=20%
・時間帯=22時~翌朝5時
というルールに一本化されました。
ちなみに以前は23時~翌6時スタートのエリアもあったんで、これで多少使いやすく(?)なったとも言えます。
【「青タン」の語源】
で、問題の「青タン」。
これは昔のタクシーメーターやスーパーサインに、深夜割増の時間帯になると“青いランプ”が点灯したのが由来。
「青いランプ」=「青タン」になったわけですが、この「タン」の部分には諸説あって、
- 「タクシー」の「シ」が転じて「タシ」→「タン」になった説
- 語感のノリで自然に浸透した説
などがあります。
どっちにしても、タクシー業界っぽい言い回しで定着しちゃった感じですねw
【纏めると】
深夜割増は、夜間ドライバーの待遇改善や安全確保のために始まり、最初は地域ごとにバラバラ。
2002年の国交省通達で全国統一されて、今は20%増しが当たり前になりました。
そして業界用語「青タン」は、青ランプ+業界ノリから生まれたもの。
タクシーの裏事情をちょっと知ると、普段乗ってる時にも「お、青タン入ったなw」なんて見方ができて楽しいかもしれません。
…にしても、昔の3割増し。あれは本当に羨ましすぎて草(^_-)-☆