今回は「「時間をマイルで買い取ります」──ANA×東京MKの相乗りタクシー、その優しさは本物なん?」を書こうと思います。

とりま、相乗りタクシーといえば、「ちょっと安くなるけど、時間はかかる」というのが利用者にとっては当たり前でした。
でも、ANAと東京MKタクシーは違う様です。・・・・・あなたの「遠回り」を「マイル」で弁償してくれるそうです。
まるで「あなたの時間、大切にしています」とでも言いたげなその仕組み(笑)
果たしてそれは、顧客思いの新サービスか、それとも「うまい話」の新しい形なのでしょうか?。・・・・知らんけど(笑)
【あいのりの不便さに、ANAの優しさ?】
「あいのりタクシーは遠回りするから嫌だ」という声に対し、ANAとMKは、まさかの回答を用意してきました。
「じゃあ、その迂回時間、マイルで還元しますね」・・・・・とネ。(笑)
確かに、タクシー料金の割引ではなく、ANAマイルで補償するという発想は新しく、「空港に行く時に使って、ついでにマイルが貯まるならいいかも」と思った方、ANAに一本取られてます。
【最大650マイル。でも実際は・・・・・?】
「経由地数に応じて最大650マイル」と聞くと、なんだか太っ腹に感じて草。ですが、「最大」という言葉には魔法がかかっています。
実際にどれくらいマイルがもらえるのか?、条件はどうか?、付与のタイミングはいつか?。等々、そのあたりを調べてみても、スパッと理解できる人は、もはや既に航空マイルの上級者マイラーレベルの人です。
「何がどれだけ戻ってくるのか分からない補償」ほど、信用されないものはありません。
【マイルは魔法のインセンティブ】
実はマイルというのは、ANAにとっては「原価が非常に安く」客にとっては「価値が高そうに見える」ポイント。
要するに、タダみたいな原価で配れるのに、受け取る側は「ご褒美をもらった」と勝手に感動してくれる、企業にとって都合のいいファンタジー通貨です。
しかもこのマイル、すぐに使えるわけでもなく、有効期限やら特典航空券の空席やら、なかなか辿り着けない条件付きなのが一般的です。
実際に使われる頃には、忘れられているか、消滅しているか、もしくはANAがちゃっかり値上げしているかのどれかです。
それでも、もらった側は「マイルが貯まった」と喜び、時間の浪費すら正当化してしまう。・・・・・そう、ANAは客の忍耐すらポイント化して回収しているのです。(笑)
まさに財布を傷めずに「気前のいい顔」ができる、企業にとって都合の良い仕組みなのです。
これをうまく活用したのが今回の「タクシー相乗りマイル還元」。
「他の客を拾うので迂回し移動時間が長くても、それは未来の旅行への投資です」というスタンスは・・・・・ある意味、うますぎて草。
【で、本当に利用する人は増えるのか?】
結局、重要なのは「わかりやすさ」と「納得感」。
数分のロスに対して数十マイル、なんとなく「割に合わない」と感じる人が出てくるのは避けられません。
ましてや、ANAを頻繁に使わない人にとっては、「そもそもマイル、いらないんだけど・・・・」という冷めた反応も。
本当に相乗りを使ってほしいなら、マイルではなく、「明快で実利的な得」を提示すべきでは?
【纏め】
「あなたの時間、大切にしています」と言いながら、その価値を「自社ポイント」で払うのが、今どきの優しさらしいです。
でも、納得感のない優しさは、すぐに見破られます。・・・・・本当のサービスとは、客が自分で気づかぬうちに得をしていることではないでしょうか?。